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「ワイルダーのわが町・2」

今日はアナウンスした様に、ソーントン・ワイルダーの「わが町」を観劇してきた。今日の芝居は、劇団青年座の研究生の芝居だった。もちろん、無料。

 

 知り合いの方が出ていたので行ったのだが、これが感動の芝居だった。まず「本当に研究生?」と思うほど出演者の一人一人が丁寧にかつそれぞれの持ち味を中からにじみ出している芝居をしていた。そして演出が良かった。

 

 ただ、今から約110年前のアメリカの話なので、第一幕(3幕まで)は多少かったるい部分もあったが、2幕のラストから3幕にかけては気付いたら涙がでていた様な心を揺さぶる内容だし、芝居だった。

 

 そこには、ワイルダー自身の演劇観があると思う。今でこそ、舞台装置などを観客の目の前で変える手法は当たり前になっているが、当時の演劇では、ワイルダーの考え方は、とても斬新で柔軟性に富んでいた(現代劇の原点になった作品)と思う。

 

 何より観客をいつの間にか舞台上に引きこむ、つまり観客の同意、を大事にしている考えを持っている。大事なことだ。そして内容も、ごくありふれた町の毎日の日常を当たり前に演じる第一幕から、3幕の「死者」を通しての「生」のあり方まで、ワイルダーの摩訶不思議な世界がそこにはある。

 だからこそ、この「わが町」は今回の様に、劇団の研究生が演じたり、大学・高校などのESSなどで上演される事が多いのだと思う、分かりやすい、そして深い、名作なのだろう。

 

 私個人としても、大学の時にこの作品にめぐり合い、昨日も書いた様に「今をどの様に生きたらいいのだろう・・?」という事を考え始めた(最初は中学生の時だったが)作品だった。「人は必ず死ぬ→だからこそどの様な生き方をしたらよいのだろう?」という事を。

 

 懐かしい気持ちで見る事が出来た作品だった。台詞の随所に今の私が思っている、感じている言葉があった。「不易と流行」なのだ。太古の大昔から変わらないもの、そして時代と共に変わるもの、その両方があるが、この作品は、「不易」を感じさせてくれる作品だ。

 

 今でも世界中で上演されており(ニューヨークでもロングラン公演中)、日本でも2011年に小堺一機さんの進行役で、斉藤由貴さん、鷲尾真知子さんなどで上演される予定だ(今年の10月から前売り開始)。

 

 今日の観劇は、私自身の青春時代に感じた事と現在の私自身を繋ぐ作品だった事を思い出させてくれたものだった。今日の舞台を上演して下さった青年座の研究生の皆さま、そして演出家、舞台監督、その他のスタッフの皆さま、有難う。

 

                      ☆ 今日誘って下さったSさんの為に!  菅野康子でした ☆

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