- 2011-06-26 (日) 9:24
- 菅野康子の「夢」「願い」
昨日テレビで、灘中の伝説授業が復活したという事を放送していた。ご存知の方も多いかもしれないが、私はこんな先生がもっともっと今の日本に必要だ、こんな考えの先生たちが多い教育システムに戻るべきだ、と強く感銘を受けた。
この先生の名前は橋本武先生(98歳)、耳が聞こえ難いらしいが(その事も生徒達に笑いを誘い、授業は和やかな様子だった)、その他は元気! 「もう一度灘中の教壇にたちたい」とその「夢」が叶った時でもあった。そして「今度生まれ変わってもまた灘中の国語の先生をやりたい」とおっしゃっていた。
橋本先生は、明治・大正期の小説「銀の匙」(中勘助による自伝的小説。この本を使おうと思ったきっかけは、戦後間もなくのS25年という。黒塗りだらけの薄い教科書に「こんなものは使えない」と思ったそうだ。自分が中学の時にどんな授業を受けたのか印象に残っていなかった事も、むなしさを感じたそうだ。
そして生涯「心の糧となる様な授業を」とその先に、師範学校時代に心酔した「銀の匙」があったという。この本の主人公は幼少期の叔母の愛情に包まれた生活を回顧する・・・という話だ(私はまだ読んでいないが、是非読みたいと思っている)。
そして3年間をかけて、この本を元に、実際に出てきた内容を生徒達に体感させる(例えば「百人一首が出てきたら、実際に遊ばせる等)。
面白かったのは「ぶ」動詞の内容だった。「ぶ」で終わる動詞を、「あ」からずっと書いていく。そして授業後も増やしていく(例「あ」→「遊ぶ」、「か」→「書く」、「さ」→去る、「た」→「保つ」、「な」→「泣く」・・などなど)。これらを通して、生徒達に「考える力」を養っている。現在の授業は「傾向と対策」志向に走り、この「考える力」「感じる力」を失っている事から観ても分かるように、結果この先生の授業を受けた生徒達は、東大(が全てとは思っていないが)合格者も多く、その後の活躍している人たち(現東大総長、黒岩神奈川県知事など)が今でも先生の授業を通して、回顧しているのは感慨深かった。
橋本先生は「銀の匙」を選んだ理由をこう話す。「主人公が成長していく過程を生徒も自分に重ねる事が出来るし、美しい日本語が魅力的だった」と。先生はは当時毎回ガリ版刷りの手作りプリントを配布して、語句を一つ一つ調べさせ、作中の出来事や主人公の心情を生徒に追体験させたという。
今回の伝説の授業に50名の所、100名以上の灘中応募者があったという。2日間の授業後、インタビューされていた生徒から「調べて知る、事がこんなに楽しいと思った事は初めてだった」「普段の授業はただ本を与えられている感じだが、面白かった」「“ぶ”動詞をこれからも続けたい」などの感想が述べられていた。
ここから学ぶ事が沢山ありすぎて、私自身も嬉しい悲鳴なのだが、橋本先生自身の「ものを観る目、感じる力、考えて行動する意欲」をまず観じた。そしてその先には、これから成長していくにあたって一生大事な「考える力・感じる力」を、実際に行動、体験させる事の素晴しさがあり、国語を通して、生きる事の元にある必要な何か、をおしえていらした。素晴しい先生だと思う。いつまでもお元気で!そして美しい日本語を私たちも使います!
☆ 美しい日本語は美しい心を育てる 菅野康子でした ☆
*今日の放射能関連ニュース:
1.ホームセンターで売られている腐葉土から高い放射線・・・
「福島原発の放射能漏れにつきましてのご案内」 http://bit.ly/kLwplI
2.子は親の心を移す鏡・・わざと道の草を触って「放射能なんて怖くないんだよ」
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