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「被災地の不思議な出来事」

 昨日夕方のテレビの声が聞こえていた。それは今回の津波で全滅した大川小学校の事に付いてだった。私が聞耳を立て始めたのは、5年生の男の子の言葉だった。この少年は母、祖母、そして妹を津波で失ったという。

 

 この男の子は、一旦は津波で流されそして押し戻された時、竹やぶに留まった。小学生3人と大人1人だったという。そして「助けて!」と叫び続けていると、上の方から数人がやってきて、更に高い所まで避難させてくれたという。この時の人数は全部で17人。

 

 その夜は、雪・・・皆全身ずぶぬれ・・・。職員だった方が火を起こして暖をとったと言う。その跡が映し出されていた。そしてその男の子は言う。「友達も妹も・・、皆死んだ、いや亡くなった。僕がその分、勉強やら一生懸命やっていかなくてはいけないんだ。」と暗い目の中を、それでも前に向いて行こうとする言葉を言っていた。聴きながら、涙が出てきた・・・。

 

 そのお父さんは「あんだけの地震だよ、何故直ぐ裏にある山に避難させなかったのか・・・」と、この少年以外の家族を失った哀しみの心を、今は聴き様もない学校(殆どの命を奪ったという)の判断を言っていた。

 

 そして今回の取材に応じてくれたのは5家族だという。他は「そっとしておいて欲しい」と・・・。しかしこの取材に応じた家族は「2度と同じ悲劇を起こして欲しくない」という気持で取材に応じたという。私が見たもう一人の家族は、この津波で子ども2人を失ったご両親だった。

 

 そして不思議な現象はここで起きた・・・。お父さんが、学校の教室など瓦礫となった状態の中から、何とか達也くんの持ち物を探している時・・・。最初は小さな虫の声位の音だったという。何か音がしているな、程度だったという。しかしその音は段々大きくなり、その音につられながら探していくと・・・達也君(小3)のランドセルが見つかったという。その音は達也君がランドセルに付けていた防犯ベルの音だった。そのランドセルを胸に抱えて自宅に帰ったら、その音は止まったという・・・。(ここで私は号泣)

 

 お母さんは言っている。「水に濡れていたのに、防犯ベルが壊れていない事も不思議だし・・・」と。そして小2の妹さんの話し。これは地震の前日(10日)にお母さんと漢字の練習をしていたそうだ。最後になった・・とその字を見ながらお母さんはこう繋げた。「この最後の漢字が“津波”なんですよ・・。まだ習っていない漢字だったのに、上手く書きたいといって練習していたのです。あの時、もっと津波が来たら高いところに行くんだよ、と伝えておくべきだったのか・・」と涙ぐんでいらした・・・。

 

 達也君も「達也新聞」というものを創っていて、その題材は「宮城沖地震」や「津波が来たら・・」とのタイトルで創られていて、色々一生懸命調べる事が好きだったという。この防犯ベルのはなし、「津波」という漢字、そして達也新聞の中の「宮城沖地震、津波」という言葉・・・・後で思うと、不思議という言葉で言われたり、虫の知らせといわれたりする。私たちはこの様に何かを察知する能力を皆持っているのだ。

 

 ではそれを役に立てればいいじゃないか、と思われるだろう。しかし今回の大地震で私の知り合いも役に立った人もいたし(直前、直前で地震、津波を避けて東京に戻った人もいた。その時間は30分程度の事だったという)、この話しの様に、後で考えたら不思議、という事での命の別れ目は、その「魂の決めた事」なのだ。皆意味があるのだ。冷たい言い方に聞こえるかもしれないが、この一度に2人のお子様を亡くしたこのご両親も、これから先、今回の事から多くの事を学んでそして多くの方達に役に立てていかれるのだ。

 

 もっともっとこんな話しはあると思う。今2ヶ月が過ぎて、ようやく、それでも何とか、だろうが、やっと一歩を踏み出す気持になっていらして来られている被災者の方たちだと思う。私たちがサポーとするのはこれからなのだ。そして終わりはない。ずっと継続していくべき事なのだ。

 

           ☆ 哀しみがいつの日か優しさに変わりますように・・・菅野康子でした ☆

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